【連載】切り絵でみる仏教説話 No2.貧者の一灯


連載でお届けしている「切り絵でみる仏教説話」では、主にお釈迦様の前世の姿を説かれた逸話であるジャータカ物語を、切り絵を通じて紹介していきたいと思います。

 今回は「貧者の一灯」というお話です。

 ある町に身寄りのない貧しい一人の女性が住んでいました。ある時、その町へお釈迦さまがいらっしゃることとなり、町中の人々は釈尊のためにと沢山のお供えを用意していました。その女性も自分ができることをしたいと思いましたが、物乞いをすることで、どうにか日々の生活が出来る程の貧しさだったため、お供えできるものは何一つありませんでした。しかし苦労の末、ようやく一つの灯提を得ることができ、精一杯の気持ちで小さなあかりを供えたのでありました。すると、町の人々がお供えしたたくさんの灯明は夜の間に油が尽きたり、風に吹かれたりして消えてしまいましたが、なぜかこの貧しい女性のたった一つの灯明だけは朝まで消えることなく灯り続けていたそうです。

 そこで、お釈迦さまの1人のお弟子がそのことを不思議に思いなぜ消えないかを、お釈迦さまに尋ねたところ「布施の功徳は、決して量の大小によって決まるものではなく、その心によって決まるのだ」と言われたそうです。

 皆さんが贈り物をする時、どんなことを大切にしていらっしゃいますか。「手に入りにくいもの」や「高価なもの」をお贈りすることも素敵なことかもしれません。しかし、どんな思い、あるいはどんな気持ちを込めて贈り物をしたのか、ということをしっかり見つめることも大切だなぁと自分自身が感じる物語でした。

 今後も「切り絵で見る仏教説話」では、ジャータカ物語に説かれている仏様の教えを皆さんと一緒に読み解いていけたらと思います。

    (フリーペーパーののさま掲載記事)

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